ロンジンの創業は1832年、スイス・サンティミエで時計部品の流通業社で働いていたオーギュスト・アガシによる。彼が興した「レギュル・ジュンヌ・アガシ商会」を甥であるアーネスト・フランシロンが1862年に完全に引き継いだが、その事業はほぼ家内工業だった生産体制からの脱却、つまり時計メーカーとして初めて自社一貫生産の体制を確立した。そしてその自社工場が建設されたのが、サンティミエ郊外の<Les Longines(「長く狭い平野」を意味する)>と呼ばれる2箇所の土地。現在の商標でもある「Winged Hourglass(有翼の砂時計)」のマークは1867年より使われるようになり、正真正銘のロンジン社の証として製品に刻印され始めた。1880年には懐中時計の文字盤にPatent Longinesという文字が刻まれ、「Longines」をブランド名に、1889年には「Winged Hourglass」のマークを商標としてスイス連邦政府に登録する。同時にロンジンはアントワープやジェノバ等で催された万国博覧会でグランプリや金賞を次々と獲得し、技術と共にその優れたデザイン性でも世界に広く認知されるに至ったのである。
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